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【特別連載】 ナードマグネット須田亮太が語りつくすMotion City Soundtrack第1回(毎週月曜更新)

ごきげんいかがですか。ナードマグネットのボーカル&ギター須田亮太です。
ナードマグネットがこのたびMotion City Soundtrack来日公演の前座として9月12日(月)に梅田クラブクアトロのステージに立つことが決定したことを受け、THISTIME RECORDSおよびPOWERPOP ACADEMYより短期集中連載コラムを任される運びとなりました。恐れ入ります。よろしくお願いいたします。


いきなりですが、“Motion City Soundtrackとの共演”というのは私の音楽人生におけるひとつの大きな目標でした。
他にも“Weezerと共演”とか“フジロック出演”とか“10曲入り全30分くらいのファーストアルバムをリリース”とか色々あるんですが(最後のやつは今年の5月に達成できました、ありがとうございます)、それぐらいの大きな出来事なのです。
「なんかよくわからんけど須田さんが好きなどっかの外タレと一緒にやるらしいよ~」なんて事を言っているそこの邦ロックキッズ諸君、そんな軽い話ではないのですよ!
というわけで、当コラムでは私がどれほどこのバンドを愛していて影響を受けまくっているかという事を、彼らがリリースしたアルバムをすべて紹介しながら全4回に渡って書いていきたいと思います。“須田がハマった順”に書くので、リリースの時系列は前後することを先にお断りいたします。長くなるから覚悟しとけよ。


Even If It Kills Me



(2007年リリース)


Motion City Soundtrack - "Even If It Kills Me" (Full Album Stream)


彼らとの出会いはこのアルバムでした。そして今でもこれが一番好きです。
彼らはジャンル的にはいわゆる“エモ”に括られるバンドだとは思うのですが、このアルバムだけ異様にパワーポップ成分が多いため、ナードマグネットが好きな人にも一番すすめやすい作品だと思っています。まだ1枚も聴いたことないという人はぜひコレから!

この作品が発売されたのは2007年。ああ忌まわしき2007年!
私は大学3年生でした。前年に結成したナードマグネットは曲がたまってきたのでそろそろレコーディングするか!と息巻いて、記念すべき1stアルバムを制作していた頃です。あの暗くて粗いやつです(笑)。生まれて初めて自分のバンドでCDを作ってイベントをする、当然気合いとプレッシャーがすごかったわけですが、そんな中、ずっと病気だった親戚のおばさんが危篤になって最終的に亡くなるという緊急事態でバタバタしたり、ギターケースがぶっ壊れたり、メガネがぶっ壊れたり、色々としんどい出来事が立て続けに起こりました。そこでトドメを刺すかのように、とある人生最悪の出来事が起こったのですが、詳細は書きません。書けません。POWERPOP ACADEMY的にはWheatusの「Lemonade」みたいなことになったと言えばだいたい伝わるでしょう。わからん人は歌詞検索して頑張って訳してくれ。まあそれに関しては元はといえば僕にも原因はあったんですけどね!今思えば反省点も多々あるんです!わかってるんです!でもまあ、結構なトラウマになったのは間違いないです。
そんな心身ズタボロの状態で出会ったのがMotion City Soundtrackのこのアルバムでした。音楽にすがらないとやっていけない…みたいな気持ちで立ち寄ったタワレコで試聴して、一瞬で心を持っていかれました。前置き長すぎやろ自分。

先ほど“このアルバムだけ異様にパワーポップ成分が多い”と書きましたが、それもそのはず、プロデューサーとしてThe CarsのRic OcasekとFountains of WayneのAdam Schlesinger が参加しているのです。リックさんはWeezerの傑作アルバム群(青盤、緑盤、『Everything Will Be Alright In The End』)をプロデュースしたことでも知られています。アダムさんもパワーポップ界にはなくてはならない存在ですね。このアルバムではそんな2人の職人芸が存分に発揮されていて、これまでの2作のなんというか“エモバンド的なガチャガチャ感”が抑えられ、非常にまとまりのいいポップさが与えられています。“エモバンド的なガチャガチャ感”については次回また書きます。とにかくめちゃくちゃサウンドがポップなんですよ。ギターのパワーコードががっつり鳴って、その上のへにょへにょしたシンセの音が本当に最高。
でも、なんといっても、私の心を思い切りかきむしったのはジャスティン(Justin Pierre / Vocal & Guitar)の歌声とメロディでした。力強さと繊細さを同時に感じさせる、なんというか、「この人もきっと色々あったんだろうな…」と思ってしまうようなそんな歌声とメロディ。中でも4曲目の「Last Night」が白眉です。この曲でMotion City Soundtrackにハマったと言っても過言ではありません。AメロとBメロを淡々と繰り返していくなかで徐々に温度が上がっていって、最後で一気にエモーショナルに爆発する構成と、あと歌詞!恋人との別れを経た翌日の鬱々とした気持ちが綴られているんですが、最後の最後で“昨夜”がフラッシュバックして、彼女が放った最後の言葉で締めくくられるという、まるで一本の映画のようです。もうこんなん泣きますよ。ギャン泣きです。




Motion City Soundtrack - "Last Night"


で、よくよく聴いたら他の曲もまあ歌詞がメソメソしてるわけですよ!「もう誰も信じられねえ!何もしたくねえ!」みたいな状態だった私にそれらの楽曲がどれだけ響いたことか。最後に収録されているタイトルトラック「Even If It Kills Me」の「ほとんどの場面においてぼくは無力だけど、それでも目を開くことを覚え始めたよ。悲しいことに、僕はきっと乗り越えることなんてできない。それでも試してみたい。僕なりのやり方で少しずつマシになって、ひとつひとつ克服していくんだ」という歌詞にどれだけ救われたことか。




Motion City Soundtrack - "Even If It Kills Me"


本当に「出会い」だと思いました。状況の最悪さも手伝ってか、10代の頃にWeezerに受けた衝撃以上のものがありました。虚ろな目をしながら毎日聴いてました。大学でコピーバンドも組みました。その辺は次回また詳しく書きますね。

9月12日(月)は、そんなバンドとの共演なのです。

つづく




バックナンバー:
第1回『Even If It Kills Me』
第2回『Commit This To Memory』 『I Am the Movie』
第3回『My Dinosaur Life』 『Go』
最終回『Panic Stations』


▼CDバージョン

<日本盤>

<輸入盤>

▼12インチアナログバージョン


▼デジタル配信バージョン



<来日公演情報詳細>

MOTION CITY SOUNDTRACK
"So Long, Farewell Tour"
9月12日(月)梅田CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
前売 ¥6,900(税込み/ドリンク代別)
【チケット】
・ぴあ(P:298-092)
・ローソン(L:54818)
・イープラス(QUATTRO web:5/28-30 プレ:6/4-6)
・会場
問:06-6535-5569 (SMASH WEST)







ナードマグネット「さよなら20代ツアー」後半戦スケジュール


8月28日(日)【会場】鹿児島Speed King
9月3日(土)【会場】岡山PEPPERLAND
9月4日(日)【会場】愛知・上前津CLUB Zion
9月18日(日)【会場】栃木・宇都宮HELLO DOLLY
9月19日(月)【会場】静岡UMBER
9月26日(月)【会場】大阪・心斎橋BIGCAT
10月2日(日)【会場】大阪・心斎橋Pangea

10月9日(日)【会場】愛知・名古屋CLUB ROCK’n’ROLL ※ファイナルシリーズ
ナードマグネット 1st フルアルバム”CRAZY, STUPID, LOVE” 発売記念
「さよなら20代ツアー名古屋編ツアーファイナル」
特典付き先行前売りチケット購入
受付期間:8/1(月)12:00~8/14(日)23:59
【先行特典】未発表スタジオ音源『(Let Me Be) Your Song』プレゼント


10月23日(日)【会場】東京・新代田FEVER ※ファイナルシリーズ
ナードマグネット 1st フルアルバム”CRAZY, STUPID, LOVE” 発売記念
「さよなら20代ツアー東京編ツアーファイナル」
特典付き先行前売りチケット購入
受付期間:8/1(月)12:00~8/14(日)23:59
【先行特典】未発表スタジオ音源『(Let Me Be) Your Song』プレゼント


10月29日(土)【会場】大阪・梅田シャングリラ※ファイナルシリーズ
ナードマグネット 1st フルアルバム”CRAZY, STUPID, LOVE” 発売記念
「さよなら20代ツアー大阪編ツアーファイナル」
特典付き先行前売りチケット購入
受付期間:8/1(月)12:00~8/14(日)23:59
【先行特典】未発表スタジオ音源『(Let Me Be) Your Song』プレゼント


ナードマグネットツアーファイナル大阪公演|東京⇔大阪バスツアー乗車券

チケット購入
【先行特典】未発表スタジオ音源『(Let Me Be) Your Song』プレゼント






ナードマグネット / CRAZY, STUPID, LOVE

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ナードマグネット / この恋は呪い

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ナードマグネット / Songs from the Closed Room

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ナードマグネット / Laika Barks

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ナードマグネット・root13.・The Calendar of Happy Days / penかapple (CD+DVD)

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Aug 22, 2016

 

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