The Jeanies

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The Jeanies “The Jeanies”

2014 (SELF)

70〜80年代のファンは必聴!ニューヨークはブルックリン出身の4人組、The Jeanies。1曲目のイントロが始まった瞬間、聞く側はいくぶんの戸惑いを覚えることでしょう。なぜならこの作品は2014年のものなのに、感じ取れる空気は77年〜83年ごろに作られた作品とまるっきり同質のものだから。すなわち、The Records、Pezband、The Plimsouls、The Late Show、20/20…などなど、パワーポップが最初の黄金期を迎えたあの頃の、あの空気感です。

音作りという面ではもちろんですが、前後半の区切りでレコードのA面の終わりとB面の始まりを意識しているな、と思わせる曲順からも、彼らの並々ならぬこだわりを感じます。これ、知ってなきゃ今のバンドってわからないんじゃないでしょうか。どこかのマニアックなレーベルが発掘してきた知られざるバンド、とか言っても、信じちゃう人は多いはずです。

70年代のスタイルを踏襲しているバンド、というと、最近ではSonic AvenuesやMother’s Children、またはThe CRY!などを僕は思い出しますが、彼らとの微妙な違いは、「パンクの匂いを感じさせない」ところでしょう。彼らのルーツがThe BuzzcocksやThe Boysにあるように、このバンドには先ほど挙げたバンド達が当てはまる、ということになります。同じクラシカルなスタイルを持つバンドでも、ここまで的を絞ったバンドってけっこう貴重なんじゃないでしょうか。もちろんこういう極端なことをした作品は万人にはおすすめできないんだけど、その代わりハマる人にはドハマりすることでしょう。ジャケットでピンと来た人は、要チェックです!


<内田 晶悠>