Luke Leighfield “New Season”

2012 (Got Got Need Records) 1,365YEN

「ビューティフルロック」という言葉が一般化して久しいが、本当の意味で美しい楽曲、美しいサウンドを作り出し続けているアーティストは少ない。イギリス生まれベルリン在住の青年Luke Leighfieldは、間違いなくその数少ないアーティストの一人だ。

若干19歳でのデビュー当時は英国のBen Folds Fiveと騒がれていた彼が、25歳になり発表した本作は、これまでの彼の作品と比較するとよりシンフォニックなサウンドへ、そしてよりピアノと歌に焦点が当てられたソングライティングへと大きく舵が切られ、バンドサウンドからの脱却が試みられている。ビデオカットに選ばれたのが「The One Thing」と「Garde Ta Foy」という、ともにピアノサウンドを大きくフィーチャーした楽曲というのも彼の目指した方向性が現れているように思える。ディスト―ションギターやドラムのビートに頼ることのない展開。そんな「ロックの作法」的アレンジを使わなくても、十分にダイナミックでドラマチックな楽曲を生み出すだけの技術とエモーションを持っていることを、彼は本作で証明してみせた。

もちろん、これまで通り彼の十八番であるシンガロング系ピアノ・エモも収録されているが、そういったタイプの楽曲でも非常にナチュラルで無理のないアレンジが、彼の「成長」を伺わせる。25歳にして、ソングライターとしてのひとつの到達点へと達し、まさに「New Season（新しい季節）」への旅立ちを予感させる、マスターピースと言っても過言ではない。

Luke Leighfield / New Season
1,365円（税込）

＜トラックリスト＞
01. Slow Down
02. New Season
03. It's You
04. Whispering
05. Patience
06. Time
07. The One Thing
08. Live for More
09. Garde Ta Foy
10. Do Not Settle