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The Nines "The Nines"

2013 (T.A.S. GOLD) 1.890 YEN

カナダのパワーポップ・マジシャンSteve EggersによるThe Ninesの最新作。2011年にリリースされた『Polarities』以来となるスタジオ・アルバムで、製作段階で彼が崇拝するXTCのAndy PartridgeやBleuやMike Viola、Jason Falknerなどお馴染みソングタイター仲間が関わっていることが知らされていた。ポップに対して純粋で、従順な彼の姿勢は本作でも全開。彼いわく「いままで僕の音は"Paul McCartney and WingsのアルバムにCheap TrickとXTCをミックスされた〜"なんてずっと言われてきたけれど、今回自らの名前を冠したのはこのアルバムが100%The Ninesといえるものに仕上がったからなんだ」とのことだ。

「Far Away」「No More TImes」「Don't worry Misery」「On The Sidelines」「Martin」・・・まるでクラシック・ポップスの名曲と呼んでもおかしくないほどの美しさだ。彼の作品を聴いていつも思うのは「この人、ポップ・ミュージックが心の底から好きで、そんな音楽を奏でるミュージシャンたちが大好きなんだろうなぁ」ということ。ただ良い意味でも、悪い意味でもこの『The Nines』は良質なパワーポップ・コンピレーションのよう。Wingsと、XTCと、E.L.O、Bleu、Jellyfish、Teenage Fanclub、最後はHarry NelsonとPaul McCartneyがピアノ・弾き語りの共演で締めたみたいな。そして聴いた人が口を揃えて「Bleuの兄貴がやっぱり一番目立ってたね」と言っちゃうような。

本当に「The Nines」という名前を付けるのであればそれは『Gran Jukle's Field』だったのかなぁと本作を聴き終わって思っている。

<トラックリスト>
1. Backseat
2. Far Away
3. Jackie Smokes
4. No more time
5. The Virtuous Man
6. Don't worry Misery
7. Seasons
8. Change on the Main Street
9. On the Sidelines
10. Jack McGee
11. Goodbye
12. Martin