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Peter Holsapple & Chris Stamy "Mavericks"

1995 (RHINO)

僕にとってはThe dB'sだってSneakersだってリアルタイムじゃなかった。だからこの作品も当然中古レコード屋で偶然手にしたのだ。町田かどこかのユニオンだった気がする。一律980円CDのようなめちゃくちゃダサいジャケットだったけど、雑誌か何かのかすかな記憶を頼りにChris Stamyって聞いたことあるなぁという程度で手に入れたのだった。当時はCDウォークマンを持ち歩いていたのだが、帰りの電車の中では一緒に買ったもっと派手なCDを先に聴いた。結局うちに帰って釣果の一番最後に本アルバムを聴いたのだった。

1曲目「Angels」が始まった瞬間、目が冴えて心が踊った。ゆったりとしたメロディに緩いアレンジの演奏なのだが少しも無駄がない。名曲なのだ!この二人、言わずと知れたThe dB'sのメンバーなのだが、1982年に不和によりChrisが脱退するくらい一時はバンド内で仲の悪かった。二人が仲直りし、しかもそのThe dB'sでなく<Peter Holsapple & Chris Stamy>名義で共作したという、なんとも素敵なストーリーがある。

結局「Angels」があまりに良すぎて、20回くらいリピートで聴いたので、他の曲を聴いたのは次の日だった。アルバム全体としてはカバーを除いて二人が半々で作曲しているので、それぞれの曲の持ち味と、お互いに少しちょっかい出している感じがホンワカと楽しめる一枚となっている。でも「Angels」がダントツに良い。レコードだったら確実に1曲だけ擦り切れたと思う。

その後も二人の名義で2009年にアルバムをリリースし、ツアーも行っている。白髪のジイサン達になった二人の演奏する「Angels」はどこまでも緩くてどこまでもピュアでやっぱりずっと聴いていたい曲なのだった…。


<ワタナベオサム>


Mavericks
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