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Rusty Anderson "Undressing Underwater"

2005(SURFDOG)

「Paul McCartney Bandのギタリスト」という誰もが憧れる肩書きを持つ男。その1stソロアルバムである。
2005年だったと思うが、ロサンゼルスで行われたパワーポップの祭典IPOで幸運にも彼のアクトを見る機会に恵まれた。音源も聴いた事が無く、Paul Bandのメンバーである事以外一切知らなかったのだが、優しそうな笑顔と圧巻のステージに心を奪われてしまった。もっと60年代テイストなのかと思っていたのだが、90年代パワーポップやロックの流れを組むパワフルな演奏だった。Beatles的な要素はむしろRustyのJohn似の声だけではないかと思ったくらいだ。『Driving Rain』以降のPaul バンドが僕を魅了してやまないのはRustyやBrian Rayのこうしたパワフルさが一つの要因である事にこの時気づいたのだった。

内容は実にバラエティに富んでいて「Coming Down to Earth」や「Electric Trains」といったど真ん中パワーポップソングもあれば、「Catbox Beach」のようなベンチャーズ真っ青のサーフソングもあり、90年代オルタナティブバンドの香りのする曲もある。そしてなんと言っても「Hurt Myself」の切ないメロディがRustyの真骨頂なのである。

Paulだけに留まらず、Elton John、The Wallflowers、Santanaといった大御所のサポートもしており、サポートミュージシャンとしても輝かしいキャリアを持っている。New RadicalsやSusanna Hoffs、Matthew Sweetとも絡みがあったらしく、我々パワーポップファンには嬉しいところである。余談だが件のIPOで、同じ日に出演していた、同じくJohn Lennonに声が激似のParthenon Huxleyが階段に座って頬杖を尽きながら少年のような眼でRustyの演奏を見ていた姿が何故だか忘れる事ができない…。

奇しくもPaul McCartneyの来日が近づいて来ている。もちろんRustyも来日する訳で、彼の華麗なギターワークと絶妙なコーラスが非常にたのしみである。このレビューを読んだRustyが僕をバックステージに呼んでくれないかなぁ…。

<ワタナベオサム>



1 Hurt Myself
2 Devil's Spaceship
3 Electric Trains
4 Damaged Goods
5 Coming Down To Earth
6 Ol' Sparky
7 Catbox Beach
8 Ishmael
9 Sentimental Chaos
10 Everybody Deserves An A IIn This Country


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